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黒菱山荘の半世紀 [4]

同窓会副会長・黒菱山荘委員会委員長 浦川伸一(高校32回)

4. 学校行事終了後の黒菱山荘

 「昭和60年から黒菱山荘を使用しての校外施設(夏山教室、冬・春山スキー教室)が諸般の事情で中止となり、山荘の存続が危ぶまれたが、61年より同窓会が山荘の管理運営への参加を受け入れたために、山荘運営の実務は同窓会に移管し山荘OBがその任にあたっている。」

 昭和63年の校誌石神井で、当時の教頭でいらっしゃった北川先生はこう記されている。 石神井高校を中心に集まった山仲間の熱意の結晶で建てられた山荘が、学校施設として石神井の伝統を築き上げた。そして生徒が来なくなった今、その役目を終えたかのように見える。現在山荘の管理を行っているのは、私たち同窓会の有志であるが、石神井高校の生徒のための施設として建設が許された山荘であるからこそ、そう感じる方々がいらっしゃるのは当然とも言えよう。

 歴史を閉じる決断はたやすいことであるが、時代を乗り越え、後世に引継ぎ続けることはことこの山荘に限って言えば、これほど「きずな」を強く感じることが出来る物理的な存在はないと考えている。

 あまり知られていないのだが、毎年黒菱山荘委員会では、学校のご協力の元、数名〜10名程度の山荘教室を開催している。平成22年の冬も10名程度の生徒を受け入れ、昔とさほど変わらない生活を黒菱山荘で体験してもらっている。

 その際、入荘と下山の際に、地元対岳館の丸山庄司様、そのご子息で館長の徹也様にご挨拶をさせていただいたが、庄司様から「下山後の生徒たちの目が変わっていたね。」とおっしゃってくださったのには驚かされた。山荘の存在意義は、やはり多感な世代である現役の高校生達に山の生活を体験してもらうことなのだ、と再認識させられるお言葉であった。

 現在、黒菱山荘の管理および運営を担当する黒菱山荘委員会は、同窓会の下部組織として、10名弱のスタッフで維持管理活勤を継続している。この10年あまり、新しいスタッフの参画もないのが気がかりではあるが、みな山が好きだし、石神井が好きだし、仕事以外で気軽に付き合うことが出来る数少ない面子であり、とてもチームワークよく活動出来ている。

 「軽率な利用をしない限り、黒菱山荘は石神井高校の誇りうる校外授業の場として大いに役立つものであるにちがいない。」

 この、27年前の黒崎先生の言葉が今も生き続けていると信じ、石神井高校に関係する皆様方のご来訪を心よりお待ちしている。

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